急接近! 4
そっと唇を重ねる。鼻の頭にかいた汗が、クリの頬を濡らす。
肉厚な唇を含み、舌先でなぞり、そのまま小さく開いた口腔の中へ舌を侵入させる。おそらく条件反射的にクリの舌が蠢く。それに合わせるように絡める。そして一層強く、大胆に、口に吸い付く。
ああ・・・、旨いよ。キスがこんなにおいしいものだったとは。
キスだけでこんなに感じてしまうのは、キスだけで、大袈裟だけど、イッてしまいそうになるのは、これがに初めてだった。
本当に好きな人とするキスが、こんなにも官能的だったなんて・・・。今まで僕がしてきたキスは一体なんだったんだろう、と心の中で苦笑した。
ねっとりとクリの口を貪った後、ゆっくり、名残惜しく舌先を出したまま顔を離す。
心臓の鼓動が、現実の音として聞こえるほど高鳴っている。まるで部屋全体が揺れているみたいに。そのリズミカルな鳴動が、意識を朦朧とさせる。僕の理性はとうに消し飛び、まるで映画を観ているように現実感がない。
視線を、クリの濡れた唇から、股間へと移す。ファスナーをジジジと下げ、ボクサー・ショーツの中から、ぐったりとした仮性包茎気味のチンポと、ふてぶてしい程の大きさのタマを引きずり出す。
右手で茎を固定し、静かに顔を近づける。汗と尿の臭いが混ざり合い、僕の鼻腔を焦がす。その臭いを、旨そうなステーキのもののように吸い込み、一気にチンポを咥え込んだ。
舌や唇や内頬で刺激し、じっくりとクリのチンポを味わう。それに反応し、急激に膨張し、首をもたげ、あっという間に塩っ気のある亀頭を露わにする。
結構デカイぞ?
歓心しながら形も良い亀頭を口の中でこねくり回す。
左手は、ぶっとい太腿をさする。ああ、逞しいよ・・・。
そんな男らしい部分に感じ入ってしっまっている自分に、つくづくゲイなんんだな、と辟易する。
僕のチンポもトランクスの中で痛いくらいに勃起している。シミどころか漏らしてるんじゃないかと思うほどにヌレヌレだ。
スゲェ、フェラしてるだけでこんなに興奮するなんて、感じるなんて、僕、僕、もう・・・。
「ああっ・・・イイ・・・」
ボソリと小さな呻き声が漏れる。
そんなにイイかい? クリ。もっともっと気持ちよくしてやるよ!
僕はわざとジュルジュル、チュパチュパと卑猥な音をたててクリのチンポを吸い立てた。
「あっ、くっ・・・ヤバっ」
お? そろそろイクか? ようしもう一踏ん張り・・・って!!!!???
全身の血の気が引いていくといのはこのことか、と実感出来るほど、頭のてっぺんからサーっと冷たいものが下りていく。
時間が止まる。息が出来ない。思考が停止する。だけど恐怖というか絶望というか、そんな何かが、真っ白になった頭の中に広がっていくのがわかる。
ひどく困難だったけど、僕はゆっくりとチンポから口を離し、横たわっているクリの上半身に顔を向ける。
そこには、頭だけを持ち上げ、なんとも言えない表情を浮かべてこちらをじっと見据えるクリの顔があった。
どれくらい見詰め合っていただろ。多分現実には2、3秒のことだと思う。だけど僕には永遠よりも長く、終わり無いものに感じられた。
と、そこで凍りついた現実を破るようにクリの口が動き出そうとするのがわかった。僕は我に返って何かを言おうとした。
「・・・あ、これ、いや・・・」
言葉が言葉にならない。それどころか、声すら思うように出ない。もしかして、このまま喋れなくなるんじゃないかと焦りもした。
「続けろよ」
パニくりそうな僕を制して、重く威圧するようなクリの声が響いた。
「・・え?」
「いいから、しゃぶれよ」
どこか冷たいような声。こんなの初めて耳にする。
だけど、その声に救われたのか、ヤケクソになったのか、僕はその命令に従い、再びクリのチンポをしゃぶり始めた。
今度は、楽しむのではなく、まったくのがむしゃらに、まるで苦役でもこなすように。
どうだ、これでどうだ! さあ、早くイッちまえ!
テクニックなんてあったもんじゃなく、ほとんど力技で、ただ真っ先にイカせるために、激しくストロークを繰り返し、右手で茎を扱き、左手で大きな二つのタマを乱暴に握った。
「あっ、あっ、ヤバイ、イク、イク!」
案の定、クリはあっという間に昇り詰め、悲鳴にも似た声を上げた。
大量の熱いモノが、僕の口の中に何度となく放たれ、溜まり広がっていく。
脈動が弱まり、その奔流が止まると、僕は粘性の強い液体をごくりと呑み込んだ。細い糸を引かせながら、ゆっくりとチンポから口を引き抜く。まだ、口の中に液体の感触が残る。残り香さえ臭う。
「飲んだのか?」
ちょっと信じられないといった感じでクリが口を開いた。
「ああ、そうだよ。飲んだよ。どう? 満足した?」
さっきまでと違い、言葉が勝手に飛び出してくる。もう止められそうもない。
「これが僕だよ。本当の僕さ。男のチンポしゃぶって、喜んでる、変態さ! ゲイだよ、ホモだよ!」
この頃には涙を流し、しゃくり上げていた。もう悲しいのか怒っているのか絶望しているのかさえわからない。ただ、今まで抑え込んでいたものが、どんどんとこみ上げてきて、見境ナシに爆発していた。
「さあ、軽蔑しろよ! なんとでも言えよ! 気持ち悪いとか、クソ野郎とか。殴っていい、さあ、殴れ! 蹴れ! ボコボコにしろ!」
涙と汗と唾と鼻水を撒き散らし、僕はわめき立てた。
「うるせえ! ちょっと黙れ!」
思わぬクリのデカイ声に、僕は殴られたかのように黙ってしまった。
過呼吸気味で、目眩がする。
「こっちこいよ」
上半身を起こしたクリが小さく手招きする。
ああ、殴られる。僕は覚悟を決め、膝立ちのまま擦り寄った。
するとクリは予想に反して顔を近づけ、まるでキスするみたいに首をかしげた。
「ちょ、ナニ?」
僕は焦ってクリの行動を制止する。チンポしゃぶってたクセに・・・。
クリはちょっと照れたような、迷惑そうな顔をして、動きを止めた。
「ナニって、き、キスだよ」
「あっ、いや、僕の口、汚いから・・・」
僕はこの場に及んでトンチンカンなことを口走る。かなり混乱していた。
「汚いって、オレの精子だぞ?」
「あ、そうだよね、ゴメン・・・」
何言ってんだろ、僕。
まだ、泣きわめいていた名残で荒い息の僕の口に、クリはそっと唇を重ね、ゆっくりと離した。なんだか親が子供にするオヤスミのキスみたいだった。だけど、それが興奮冷めやらぬ僕を落ち着かせてくれた。
「悪ぃ、これくらいしかできねえ」クリはぶっきら棒にそう言った。「つうか、眠ぃ。オレ、寝るから、おまえもココに来いよ」
そう言ってベッドの空いたスペースを指さす。
僕はまるでここが自分の部屋みたいに振舞うクリの態度は考えずに、「うん」と頷く。「だけど、やっぱ歯、磨いてくる」
「勝手にしろ!」クリはスネたように言う。「オレは寝る! もう起こすなよ!」
いつの間にか何事も無かったようにチンポをしまったクリは、勢い良くベッドに倒れ込んだ。そんなクリの姿を見つめ、しばらくしてから、僕はバスルームに入った。
<つづく>
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