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流れ星 作者後書き
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2024/05/02 (Thu)
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流れ星 作者後書き
流れ星 後書き
「流れ星」はこれで完結です。一応w
エロなしです。
こんな爽やか系(ていうか、もはやBL?)なんかも、書いていきますヨ。
お覚悟!
「流れ星」後半は眠くて、かなり無意識で書いてました。
だからなんのヒネリもない文章になってしまい、ほとんど頭の中に
浮かんだストーリーをそのまま棒読みにした感じww
けどまあ、おかしなところもないし、いいか! ということでアップしました。
さて、次はナニ書こうかな~。
お楽しみに!
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2006/07/22 (Sat)
流れ星
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流れ星 2
流れ星 2
いつもの校門の景色も、この高い門柱の上から、しかも誰もいない夜に眺めると、まるで別物だった。非日常というより、異世界に迷い込んだような感じ。
目の前の雑木林からは、静かに虫の声が聞こえ、それでいて余計に静寂は耳に痛いほどで、闇はそれ自体に質量があるみたいに存在感を示し、腰掛けた門柱は、昼間真夏の陽射しを受けていたのに、今ではやけにヒンヤリしていた。
「あっ・・・」
木ノ下が隣で小さく声をあげた。
俺は一瞬ビクッと体を震わせた。そうだ、木ノ下と一緒だったんだ。
「どうした?」
「なんだよー、見てなかったの? 流れ星だよ? 流れ星」
俺はさっきからかわれたことを根に持って、反撃した。
「流れ星なんて、珍しくもない」
「へぇー。じゃあ最近流れ星を見たのはいつだよ」
「えっとー、いつだったかなー・・・」
「ハァ~」と木ノ下は軽く溜息をついた。
俺は少しムッとしながら、何気なく夜空を見上げた。そして息を呑む。何だ? コレ。下で見たのと全然違うじゃねーか。
圧倒的な数の星の輝き。それは本当にこぼれ落ちてきそうな、満天の星空。
「ちゃんとソコにアルものを見てないと、見えるものも見えないよ?」
木ノ下は夜空を見上げ、独り言のように言った。
俺も、夜空を見上げながら、独り言のように聞いた。
だけど、なんとなく、心の片隅に引っかかる言葉だった。
ちゃんとソコにアルもの
見えるものも見えなくなる
「あっ!!!」
不意に二人揃って短く叫んだ。
「見た?」と木ノ下。
「見た!」と興奮した俺。
銀色の光が、引っ掻き傷のような跡を残して夜空を走り、そしてパッと大きく輝いて消えたんだ。
「なっ、なんかスゴクね? 今の?」
「うんうん、なんか爆発みたいだった!」
いつもクールというか飄々とした木ノ下が、妙にはしゃいでいるのが可笑しかった。そして、痛切に愛くるしく感じた。
そう、苦しいんだ・・・。
「隕石だったりして」と木ノ下。
「さすがにそれはないだろ」
「願い事しておけばよかった」
「願い事かぁ・・・」
なんだか、願い事はもう叶ったというような、不思議な満足感が俺を満たしていた。何故だろう?
「木ノ下の願い事って?」なんとなく訊いてみた。
「オレのは・・・」
「アッ!!!」(×2)
その時、また一つ流れ星が現れたと思ったら、また一つ、また一つ、いや、二つ、四、十、三十???
やがて光の軌跡は無数に増え、まるで夜空が墜ちてきたような、大流星群となった。
しばらく俺たちは口もきけなくて、呼吸をするのも忘れてただただこの大自然の、大宇宙の一大ショーを眺める一観客に成り下がっていた。
「お、お、お、オイ! 見たかよ、ナニ?これ。マジすげーよ!」
「見た見た見た!!! スゴイ、スゴイ、スゴイ!」
俺たちは、いつの間に手を握り合って、振り回して、そして顔突き合して、興奮し、喜び合い、歓喜の言葉にならない言葉を叫んだ。
「スゴイよオレたち! スゴイのみちゃったよ!」
「ああ! 俺たちってスゴイ!」
なんだか知らないけど、お互い褒め合って、この瞬間の感動を分かち合おうとした。
「木ノ下、おまえ涙出てんぞ?」
「ワタルだって、泣いてんじゃん」
「んなことねぇよ」
「だって、ホラ」木ノ下はそう言って俺の目の下を人差し指で掬った。「濡れてんじゃん」
木ノ下の人差し指は、夜空の光を受けて、銀色に輝いて見えた。
「わっ、他人の涙もしょっぱいんだね」と俺の涙のついた指をいきなり舐めるやがった。
「お、おい! なにしてんだよ?」
「え? ナニ?」
木ノ下はケロっとしてる。取り乱してるこっちの方がどうかしてる、といった感じで。
「いや、なんでもねーよ」
くすぐったいような、変な気分で、俺は頭の後ろを掻いた。
2006/07/21 (Fri)
流れ星
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流れ星 1
流れ星 1
「おい、木ノ下の奴、知らねぇ?」
「いいや、見てないね」
「ふうん」
夏休み中の合宿も二日目。大会、そして定演(むしろこっち優先?)へ向けて、俺たち吹奏楽部は夜まで練習に励んでいた。しかも合宿所なんて大層なものはないから、高校の校舎でそのまんまやっていた。
「たく、アイツどこ行ったんだ?」
俺は一人グチて、みんなが布団を敷いて寝泊りしている音楽室へ向かった。
今日シメの全員で曲合わせの練習も終わり、風呂に行ったり音楽室で寝転がったり外に買出しに行ったりと、みんな忙しい。そんな中、木ノ下の姿だけ見つからない。まあ、今始まったことじゃないけど。アイツはいつもふらっとして、いつの間にか単独行動をしてることが多い。
変わった奴だ。
ファゴットっていう、マイナーな楽器をやってる所為もあるかもしれない。普通、だいたい各パートごとに固まったりする傾向があるけど、木ノ下のやるファゴットは、一人だけだ。
「オイ、ワタル。プール行かねーか?」とペットの石川先輩が声をかけてきた。
「夜のプールに忍び込もうぜ!」隣で同じくペットの山田がイタズラっぽく笑っている。
「あっ・・・」うう、楽しそう。一瞬俺も行きます、と言いそうになって言葉が詰まった。「やっぱ、俺、ちょっとやることあるから、いいす」
「なんだよ~」と残念そうに先輩。
「用事終わったら来いよ。パーカの連中も来るってよ!」と山田。
「うん、わかった」
俺は上履きのまま、校舎の外に出た。
湿気はあるけど、涼しい心地よい風が、露出した肌を撫でる。
辺りは静かで、虫の声だけが響き、晴れ渡った夜空は余りにも無限だった。
玄関前のロータリーを抜け、校門のところまで足を運んだ。
「ホント、どこ行ったんだよ」
ジャージのポケットに両手を突っ込み、サンダルを引きずりながら歩き、校門の門柱に背をもたせた。背中にコンクリートの冷たさが伝わってくる。なんだか熱くなった頭も冷えてくる。
ちぇっ、プール行こうかな・・・。
「コラッ!!!」
「わぁああああ!!」
突然の声に俺はびっくりしてもたれかかっていた門柱から飛びのいた。
ナニ? 何が起こったんだ??
すると上のほうから笑い声が聞こえてくる。見上げると、門柱の上に人影が座っていた。
「あはははっ。ワァーだって、ワァー。超びっくりしてんの」
「・・・、木ノ下か? おまえそんなとこで何してんだよ!」
俺は半ギレ気味に言った。あー驚いた。
「べーつに~。ただ星空を見てただけ」
「空になんかあんのかよ」と怪訝そうに見上げる俺。
「上がってくれば? ここで見た方がいいよ?」
「あ? うん。ちょっと待ってろよ」
「逃げやしないから、気をつけなよ」
俺は鉄製の門によじ登り、それを足がかりに木ノ下の座る門柱の上に上がった。
「うおっ、なんだこれ? スゲー高いな、ここ」
そう言って門柱の上に立って辺りをぐるぐる見回した。すると、木ノ下が隣でくすくす笑ってやがる。
「なんで笑ってんだよ」
「え? なんか驚いたり、怒ったり、はしゃいじゃったりしてさ、か~わいいな~って思って」
「な、な、なんだよ? カワイイって・・・」
急に恥ずかしくなり、ストンと木ノ下の隣に腰を下ろす。木ノ下は何も言わず、また星空を見上げた。
続く・・・。
2006/07/10 (Mon)
流れ星
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