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藤巻舎人 脳内ワールド

藤巻舎人の小説ワールドへようこそ! 18歳以下の人は見ないでネ

   
カテゴリー「真夏日」の記事一覧

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真夏日(7)

 

 変なことなんて起こりっこない・・・。

 いや待て! 起こりっこない、じゃなくて、変なこと起こすんだよ!!
 そうだ、これはチャンスでしょ? 母上がいたって関係ないYO! むしろ押し殺した興奮でモエるかも♪
 なんてエロ妄想に浸りながら、ダイニングで先輩と先輩の母上と夕飯を食べる。濡れた制服は脱いで、先輩のTシャツとジャージをかしてもらった。うへへ、これだけで悦に入れる。
 夕飯のメニューは、手作りポテトコロッケ、ポテトサラダ、じゃがいもとわかめの味噌汁、ごはん、・・・。
 なんでも親戚からジャガイモが送られてきたそうだ。


 食事が終わって、片付け手伝いますと言ったら、母上に笑って断られた。
「いいんだよ、気ぃ遣わなくて。俺らは食うのが仕事だ」と先輩。
「あら、正人は手伝ってくれてもいいのよ?」と母上。
「ヤベ、笑ってるうちに、上行こうぜ」
 先輩は二階にくるよう促した。
 先輩の名前って、正人っていうだ。
 先に階段を上る先輩に向かって言う。
「あの、先輩って一人っ子ですか?」
「いや、妹が一人。今日は友達の家に泊まりに行ってる」
 階段を上りきって短い廊下の突き当たり、ドアを開ける。
「なんだ、気になるか? まだ中二だぞ?」
 パチっと明かりのスイッチをつける。
「ち、違いますよ」
 六畳程度の洋室。ベッドに机に棚にテレビにクローゼット、などなど。
「そんなにムキになるなよ、健全健全♪」
「そんなんじゃ・・・」
「ま、適当に座れよ」
 先輩はベッドの上を指差す。俺は素直に腰掛ける。
「テレビでも観っか」
 リモコンでテレビをつけ、先輩はカーペットの上に腰を下ろし、ベッドに背をもたれた。テレビでは、いつもの芸能人バラエティー。糸目を細めて、眩しそうにテレビを観てる。膝丈のジャージ、薄いスネ毛、褐色の太い脚。Tシャツから伸びる張り詰めた腕。広い肩幅、伸びかけたうなじの髪。俺は先輩の隅々を目で舐める。
 どうして先輩は、そんなに話したこともない、単に後輩の友達の俺に、こんなに優しいんだ? 考え過ぎなのか? 誰にでもこうなのか?
 ああ、その薄っすらとうぶ毛の生えた赤い耳にかぶりつきたい。
 ああ、ヤバイ。チンコが勃ち始めてる。このまま背後から、背後からぁぁぁあ!!


「はぁ、先輩、俺もう眠いす」
 俺はぐったりとベッドに寝転がる。
「ええ? まだ早いだろ」
「先輩、寝る時はベッドで二人ですか?」
「え、いや、オレが下に布団敷いて寝るよ」
「別に一緒に寝てもイイすよ?」
 わわわwww、俺、なに言い出してんだ? なんか止まんない。もう頭では考えられない。チンコでしか考えられない。俺はうつ伏せになって、チンコをベッドに静かに擦りつけながら、先輩の耳元に顔を近づける。
「一緒って、さすがに、なぁ?」
 先輩の日に焼けた顔が赤い。かわいらしい耳まで真っ赤だ。さりげなく問いかけながら、こちらを向く。視線が泳いでる。
「なぁって、なんですか? もしかして、先輩やらしいなぁ、もう」
「な、なに言ってんだよ? お、オレはなんにも言ってねえよ?」
「先輩、耳まで真っ赤ですよ?」
 そう言って、俺は先輩の耳を軽くつまんだ。
「うんっ」
 びくっと先輩が震える。そしてテレビまで後ずさった。
「先輩、俺と一緒に寝たいんすか?」
「ば、ば、バカ・・・」
 海老沢正人先輩は、テレビの棚に背中をぴたっとくっつけ、両手を床につき、膝を立てて、真っ赤な顔をうつむかせた。 

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真夏日(6)

 こここ、これってどういう展開ですか?
 もしかして、そういう展開ですか?
 いや、これとかそれとか言う前に、エビ先輩って、俺と同じなのか? 男が好きなのか?


 まて、待て待て待て。瀬川が言ってたろ? エビ先輩は優しいって。だから、これだって単なる親切心なだけのことなんじゃないのか? そう、きっとそうに決まってる。変な期待はしないほうがイイ。よくある事だ。後で泣きを見るのがオチだ。


 今俺は、めっちゃ好みの海老沢先輩と二人で、電車の席に向かい合って座っている。先輩は黙って窓辺に肘をつき、暗い車窓を、激しく叩きつけ水滴が流れる向こうを眺めてる。何も喋ってくれない。
 車体はガタゴトと揺れ、その度に俺の膝と先輩の膝が小さくくっ付く。
 いったい何考えてんだろ、この人。糸目なだけに、いつも笑ってるように見えて、実は表情が読めない。むむむ、どうしよう。なんで俺、焦ってんだ? このドキドキが、膝を伝って先輩にバレたら・・・。


「あの・・・」
 沈黙に耐え切れず、俺は口を開いた。
「うん?」
 傾けていた顔を、僅かにこちらに向けるエビ先輩。
「そういえば、先輩のウチって、どこなんですか?」
「ああ、二つ目。もう次の駅だぞ」
 そう言って、更に目を細めてニカッと笑った。
「へぇ・・・」
 口がひどく渇く。思わずむせりそうになる。
 先輩、俺は、その日に焼けた肌が、ものすごく欲しいデス。
 舐めたらどんな味がするんだろう。


 木造のひなびた駅で降りた。俺たち以外に、ここで降りた客はいないようだった。雨は未だに激しく降り続いていた。
 駅からバスで二十分ほどの新興住宅街に、エビ先輩の家があった。降りたバス停から少し距離があったので、玄関につくまでにかなり濡れてしまった。
「うっひゃぁぁ~、結構濡れたなぁ♪」
 明かりのついた玄関の前で、犬みたいにぶるぶると頭を振って水を弾く先輩。なぜか楽しそう。そしてカワイイ。思わず抱き締めて頭をなでなでしたくなる。
「悪ぃな、傘持ってなくて」
「いえ、いいす。これくらい」
「すぐタオルやるからな」
 先輩は玄関のドアを開ける。
「ただいま~」
 すると、家の奥のほうから、母親らしい声が聞こえてきた。
「お帰りなさい! すごい雨でしょう」
「ああ、あのちょっとタオルくれよ」
「ああ、はいはい」
「あと、今日、友達、いや、後輩連れてきた」
「あらまぁ、そんなら電話してくれればよかったのに」
 玄関に出てきた女性が、先輩の母親なんだとすぐにわかった。だって同じ糸目だったから。
「今晩は、そしてお構いなく」
 俺はぺこりと頭を下げた。
「いいえ、いらっしゃ。さぁ、早く体拭いて。夕飯出来てるから、上がって」
 ふわふわのタオルを受け取った俺は、頭をくしゃくしゃと拭いた。
 そしてちょっと拍子抜けした。
 なんだよ、この展開だったら、両親はなんかの用事で家を空けて今夜は戻ってこないとか、期待してたのに。そうは上手くいかないか、ていうか、変なことなんか起こりっこない。先輩は普通の人なんだ。
 がむしゃらにタオルを擦り付ける。すごくいい匂いがした。

真夏日(5)

 七月最後の金曜日、ようやく補習も終わり。
 昼飯食った後、軽音楽部の部室で、レッチリやジミヘンのコピー・セッションをしてたら夕方になってしまった。しかも急に黒雲が空を覆い始め、バケツをひっくり返したような激しい雷雨になった。
 どうすんの、コレ?
 三十分待ったけどやみそうにないどころかますます激しくなってきて、仕方なく自転車はあきらめ、バスで駅まで行くことにした。


 部の友達ともそれぞれ別れて、人気の無くなったプラットホームで独り電車を待つ。おいおい、この雨、ダイジョブか?
 そしたら案の定、アナウンスが聞こえてきた。集中豪雨の為、上り電車はしばらく動きません、だと。この田舎の路線はすぐに電車が止まる。雨なら倒木とか土砂崩れとか、雪なら積雪、その他強風、などなど。一度枯葉が線路に積もって、スリップするから電車が走れません、なんて事があった時は、怒るよりも笑ってしまった。

 
 そんなこんなで、電車は来ない。いったいどうすんだよ、家に帰れねーじゃん、俺。
 さて、どうすっかな~駅中ぶらぶらしてよっかな~と思案していたら、いきなり背後から声をかけられた。
「よう、浅見・・・、だよな?」
 振り向くと、そこには糸目先輩がいた。
「あ・・・、い(糸目じゃなくて)、海老沢先輩」
「い?」
「あの、なんでもないす」
 俺はうつむき、顔を赤くする。こんなに間近にこられると、さすがに照れる。やっぱ好みやわ~♪
「どうしたんだ? 電車待ち?」
「ええ、はい。けどこの雨で運休みたいです」
「ウッソ、俺の使ってる路線は動いてるぞ?」
「マジですか。あのボロ電車、いい加減廃車にしろって感じですよ」
「ふ~ん、大変だな~」
「ハァ、そうなんす」
「へ~」
 エビ先輩は制服のポケットに両手を突っ込んで、落ち着きなくソワソワしている。
 ???何なんだ?どうしたんだ?
「あ、あの、浅見、でイイんだよな? おまえ」
「は? はぁ・・・?」
 なんでそんな再確認? そういえば、エビ先輩はどうして俺の名前を知ってたんだろう。
「どうすんの?」
「え?」
「いや、電車無いし、いつ走るかわかんねーんだろ?」
「ええ、まぁ、そうすね」
 そこでエビ先輩はちょっと黙り込む。俺は先輩の言葉を待つ。
 ホームの外は相変わらず土砂降りで、暗闇の向こう、水煙が立ち昇っているのが見える。屋根を打つ雨音が、やけに大きく聞こえ、世界中をすっぽり覆っているみたいだった。


「お、オレんち来ないか?」
「え?」
「あ、あのさ、このまま電車待っててもいつになるかわかんないだろうし、もしかしたら終電もなくなっちまうかもよ? そしたら、浅見がよければ、オレんち来てもいいんだぜ、っていうか、そのぉ・・・、あ!」
 先輩の言葉が終わらないうちに、プラットホームに電車が入ってきた。俺の乗る電車じゃなくて、エビ先輩が乗る電車だ。
「で?」
 電車のドアがプシューと開く。
 エビ先輩は俺の顔を見ないで、尋ねてくる。
「あ・・・」
「どうする? ウチ、来るか?」
「あ・・・、ハイ。行きます」


 俺たちは電車に乗り込み、ボックス席に向かい合って座った。
 ガコンと一度大きく揺れて、電車は走り出した。
「今からだと、泊まっていくことになるけど、大丈夫か?」
 エビ先輩が、暗闇の窓に映る俺に向かって言った。
「ハイ、ダイジョブです」
 俺は唾をゴクリと呑んだ。
 クーラーの風が、腋の下にかいた汗を冷たく冷やした。

真夏日(4)


「オウ♪ 涼しい~」
 ラーメン屋に入った俺は感嘆の声をあげた。
「ちは~」
 暖簾をくぐって、瀬川が言った。
「いらっしゃ~い!」
 カウンターの中でオヤジさんが湯を切りながら大きな声を出した。
 

 L字のカウンターに二人掛けのテーブルが二つという狭い店ながら、結構繁盛している学校の近くのラーメン屋。ウチの学生は勿論、リーマンやらどっかのオッサンやらオバサンやら家族連れやら、客層は様々。
 俺ら二人は、その中でも通ってる方で、あんまり客がいない時なんか、オヤジさんがサービスしてくれたりする。
 内からの熱気を浴びながら、カウンターの端に座る。中華鍋から、バッと火柱が上がる。俺たちは、見慣れていながらも、おぉ~と軽く歓声をあげる。汗に濡れたオヤジさんの横顔も、どこか得意げだ。


「オレ、冷やし中華」と瀬川。
「えーと、じゃぁ、俺は・・・」と壁の貼り紙が目に入る。「おお? オッチャン、なに? つけ麺なんて始めたん?」
「ああ、なんか洒落てるだろ?」
 え~、そんなもんか? まぁイイや。
「じゃぁ、試しにソレ」
「あいよ!」


 瀬川が水差しからお冷を注いでくれた。
「どんも♪」
 俺はそれを一気に飲み干す。
「冷てぇ~! もう一杯!」
「自分で注げ」と瀬川。
「なっ! おまえってホント、ケチだな~」
 俺は水差しを取って、コップに水を注いだ。
「自分のことは自分でやる」
「ていうかメンド臭がり?」と言って俺はまたお冷を飲む。
 瀬川は三人兄弟の長男、だからしっかり者?
「うるせぇ」
 瀬川は水を飲んでる最中の俺の脇腹を強く突いてきた。
「オゥブハァ!!」
 俺は突然の攻撃に身をよじり、水を吹き出しそうになった。
「ゴォラ! ゼガワ、ごほっ、げふぉ、変なトコに水入ったろ!」
 咳き込む俺を見て、肘を付いたまま、楽しげに笑う瀬川。
「ハハハハ、浅見ってやっぱおもしれぇ」


 俺だって瀬川といて、楽しい。
 だけど、おまえの楽しいと、俺の楽しいは、ちょっと、いや、かなり違うんだ。だから、おまえといると時々怖くなる。いったいどこまで仲良くすればイイのか、どこまで仲良く出来るのか、分からなくなる。
 どこかで一線を越えてしまうんじゃないかって。
 瀬川は大切な友達だ。失いたくない。


 それぞれ冷やし中華とつけ麺を啜った。つけ麺は、案外イケた。
「オッチャン、これ、ウマイよ!」
「だろ? おまけにチャーシュー付けたる!」
「おお!! すっげ~! やったやった!」
「浅見ぃ、喜び過ぎ」
 隣で瀬川が呆れた顔をして言った。そしてチャーシューに箸を伸ばしてくる。
「ちょっと待った! これは俺がもらったんだゾ? 瀬川にはやらん!」
 俺は一人っ子。だから俺のものは俺のもの。
「ああ?」
「これ、アサミちゃん、二人で食え!」
 オヤジさんが口を尖らせて言った。
「そうそうアサミちゃん♪ 仲良く食おうぜ♪」
「うるせぇ!」
 俺は小さく呟きながら、肘で瀬川の腕を突いた。
 俺はそういう呼ばれ方が嫌いだ。それを知っててオヤジさんも、瀬川も・・・、あぁ腹立つ。

「浅見さぁ」
「なんだよ」
「おまえ、プール入ってから、なんかハイだよなぁ」
「そ、そうか?」
「なんかあった?」
 瀬川は時々ギクっとするような鋭い時がある。俺が男が好きだって、バレてないよなぁ?
「プール入って、さっぱりしたからな」
「ふ~ん、一本ヌイてきたからな」
「ブゥフォ!!」
 思わず麺を吹き出した。
「な、なんで? おまえまさか見てたのか?」
「アホ、見るか。ハッタリだよ、カマかけてみたんだよ」
「なぁ・・・・」
 は、ハメラレタ。何も言葉が出てこない。みるみる顔が熱くなる。そんな俺のアホ面を、瀬川はニヤニヤしながら見ている。
「おまえ、もしかしてエビ先輩に見つかってねぇだろうなぁ?」
「な、なわけねぇだろ!」
 ホントはギリギリ危なかったんだけどな。
「ふ~ん。まぁそういうことにしとくか」
「なんだよ、信じてないのかよ!」
「いや、別に。それより、鼻からラーメン出てんゾ?」
「なっ!!」
 俺は慌てて鼻の穴に指をやる。
「な~んてウソ♪」瀬川は笑って言った。「おまえ、マジ最高だよな。ホント飽きないもん」
 はぁぁ~、瀬川にはかなわねぇ~。俺はベタつくカウンターにへたり込む。
 くっそぉ~、家帰ったら、糸目先輩でもう一回オナニーしてやる!

真夏日(3)

 燃え盛る真夏の太陽
 燦々と降り注ぐ陽射し
 焼けたプールサイド
 跳ねる水しぶき
 ひたすら泳ぐ、糸目のかわいい奴

 う~ん、ここは天国か楽園か? イイ眺め♪
 あんな俺好みの奴がこの学校にいたんだぁ。
 俺はたっぷり泳いだ後、プールサイドのコンクリートに寝そべって、甲羅干しをしていた。このうだるような暑さも、なぜかここでは心地いいくらいだ。蒸し暑い教室で数字でマスかくより、太陽の下、かわいい奴を眺めて寝る方が、よっぽど健全だと思う。

 褐色の肌、程よく弾力がありそうな筋肉、そしてなによりも糸目。しかも先輩ときてる。
「先輩、こんなに大きくして、ナニ期待してるんすか?」
「ば、バカ! そんなんじゃ・・・」
「だったらどうしてこんなにイヤラシイおつゆ垂らしてんですか?」
「違う・・・、そんなに見るな・・・」
「なに言ってるんすか、もっと見て欲しいくせに。ホラ、アソコもぴくぴくして、欲しい欲しいって泣いてますよ?」
「あぁぁ・・・」


 ってヤバイ! 思わず妄想しちまった。さっき抜いたばっかりなのに、また勃起しちゃってるよ。だけど、あの糸目をもっと細くしてやりてぇなぁ~。いいなぁ、いろいろイタズラしたいなぁ。後輩にもてあそばれる奥手の先輩・・・なんつって!
 ダメだ、興奮と妄想が止まんねぇ。そろそろ上がるか。
「あの、センパ~イ、俺、そろそろ出ますんで!」
 スタート台の下で息を整えている先輩に声をかけた。一応、部外者だからね。
「おう! 瀬川に部活出ろよって言っといてくれ!」
「ハイ!」 
 やった~! また喋っちゃったよ! あの笑顔がまたイイ♪

 う~ん、プールの後は髪の毛がパサパサになるな~、なんて気にしながら教室に戻った。プールに入る前と違って、あの不快感はいくらか薄らいだみたいだった。
「ん? サボリ浅見が戻ってきた」
 俺が教室に入ってきたのに気付いて、瀬川が言った。
「どうだった?」
「最悪、すげぇ~当てられまくりw ハマジの奴、ぜってぇ家で娘に嫌われてるぜ? お父さん臭い! とか」
「ありえる」と俺は笑った。「それか息子に殴られてるな、きっと」


「昼飯どうする?」と瀬川。
「ああ、売店もやってねぇし。外のラーメン屋行く?久々に」
「お、いいねぇ」
 玄関に向かいながら、俺は瀬川に訊いた。
「プールでさぁ、なんか三年の先輩に会ったんだよね」
「へぇ、誰? なんか言われた?」
「いや、別に。目が細くて、温厚そうな人」
「ああ、エビ先輩だよ、ソレ。イイ人だぞ」
「エビ?」
「うん、海老沢先輩。みんなエビ先輩って呼んでるけど」
 ほう、エビ先輩ね。名前もカワイイなぁ。これでしばらくは妄想とオナニーのネタには事欠かないゾ♪ なんてまるで良い買い物でもしたみたいに、俺はウキウキして廊下を歩いた。
 隣では瀬川がそんな俺を見て、なんかあったのか? なんて訝しげに訊いてきた。


  <つづく>

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プロフィール

HN:
藤巻舎人
性別:
男性
趣味:
読書 ドラム 映画
自己紹介:
藤巻舎人(フジマキ トネリ)です。
ゲイです。
なので、小説の内容もおのずとそれ系の方向へ。
肌に合わない方はご遠慮下さい。一応18禁だす。

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