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藤巻舎人 脳内ワールド

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カテゴリー「私立日高見学園 第2章」の記事一覧

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私立日高見学園(25) 瓜生襷

体育館襲撃、もとい人質解放の為に体育館へ向かう間、オレは奇杵語に訊いてみた。
「なぁ、おまらさぁ、簡単に体育館から出てこれるくらいなら、二人でテロリスト達を排除出来なかったのかよ?」
「ん? それ、答えなきゃならない?」
んーん、なんか警戒されてんなー。
ま、オレの事バレてるみたいだし、御祖家相手に立ち回っちゃったからなぁ。
敵ではないけど、味方でもないって認識だろうな、オレ。
「まぁ、良ければ」
「うーん、ま、人質が多過ぎたね。一人でも倒し損ねたら、取り返しのつかない事になる。そのリスクを考えたら、とりあえず外に出ようってことになった訳だよ」
「なるほどね」
あー、妥当なところだよな。
あわよくば、なんて思ったけど、そう易々と情報はくれない訳ね。

「こっちからも訊くけど」とカタリが言った。「瓜生君、君ってなんなの?」
「は?」
漠然とし過ぎてるというか根本的過ぎるというか、答え辛い質問だなぁ。
「あー、何て言うかー」と首を捻ってから「やっぱ、君って、何なの?」とカタリは繰り返した。
うん、その気持ち、わからいでもない。
オレにだって自分がどうなっているのか分からない部分がある。
ていうか半分くらい闇の中といってもイイくらいだ。
しかもその闇はどれくらいの広さなのか深さなのかも見当がつかないときてる。
途中から別の時空へ繋がってるんじゃないかと思える。
それだけ業も深いってことにもなる・・・。
自分の事ながら訳が分からない。
ただオレは、月並みなセリフだが、今を最大限一生懸命、文字通り必死で生きている、生き抜いているって事だ。

「オレとしてもその質問には答えかね・・・」
「おいおまえ等、なに二人でコソコソ喋ってんだよ。もう体育館だぞ」
と奇杵襲が絶妙なバットタイミングで話の腰を折ってきた。
「たく、うるせぇなぁ」
「兄さん空気読め」
「な、ナンダトーー!!」
段々慣れてきたこの双子のパターン。
面白れー。

「じゃ、ぼく達は二階席の奴らを無力化して、同時にドアを開ける」
「おう、そしたらオレがステージを制圧する」
「で? 体育館の後ろ部分に居る連中は? 情報によると今中は予断の許さない緊急事態になってるみたいだけど」
いったいどうゆう情報ソースにリンクしてるんだ?
リアルタイムに更新かよ。
「残りは僅か、脅して投降させる。作戦失敗を悟ればそうすんだろ。無理そうだったら総攻撃だ」
「ま、大雑把だけど、それに異存はないよ。では、武運を」
「ああ、そっちも」
そして奇杵語と襲の双子が体育館の裏に回った。

「てことで、チマキ・・・・って、アレ?」
いつのまにか面足千万喜の姿が見えなくなっていた。
たく、またかよアイツ。
余計なことしてなきゃイイけど、ま、放って置いても大丈夫だろう、アイツなら。
どうやったって死にそうにねーし。
しかし、体育館の中が緊急事態って、いったいどーなんてんだよ。

「あなたのお友達が危急を要する事態に陥っています」

え?

オレは周りを見渡す。
しかし誰も居ない。
今の声、どっから・・・?
「あなたの頭の中、意識へ直接話しかけています」
また声が聞こえた。
・・・・・、テレパシーみたいなものか?
「そう捉えてもらって結構です」
・・・・・、これがカタリの言ってた情報網って事か。
「今から体育館内の状況を送ります」
「は?」

と次の瞬間、目の前に、いや、頭の中に体育館の中の映像が再現された。
しかも一方向のカメラ画像っていうものではなく、
全方位立体映像として。
「これ以上はあなたの脳に過負荷となりますから」そして映像は消えた。「状況は把握できましたか?」
「・・・・、ああ、十分だ♪」
「では、御武運を・・・」
「・・・・・・」

スッゲー、なに今のスーパー・インポーズ!!
御祖の奴等、とんでもねーカード持ってんなぁ。
それやぁ、隠したくもなるわなぁ。

「ま、すべては整ったし、行ってっきますか!! 待ってろ、錦、佐伯!!」



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私立日高見学園(24) 坊主頭

オレはケイン・ホオズキ。日系アメリカ人だ。
当然、心身ともにアメリカ人だし、アメリカを愛している。
そしてアメリカはいつだって正義だ。
正義でなければならない。
正義であり続けなければならない。
今、世界には絶対的な圧倒的な正義が必要なんだ。
他の追随をゆるさないほどの。

だからアメリカがその力を手に入れる為にも、オレは手を貸している。
正義は、新しい秩序。
まったくの不正も腐敗も不誠実も許さない。
そんな新秩序のもと、皆が幸せになる。
一部の者達が権利を独占して、弱者からあらゆるものを巻き上げる、簒奪することのない世界。

そんな天上の王国のような世界を現世に出現させる為には、どうしても犠牲が必要だ。
ゆるやかな変革など、もう手遅れだ。
そんなもの悠長に待っていたら千年経っても実現出来ない。
千年、犠牲を出し続けるより、
今、断固たる処置を施して、最小限の犠牲に抑える。
それが必要なんだ。
強行でも、蛮行でも、愚行でも、なんと呼ばれてもイイ。
腐り始めた四肢をそのままにしていたら、体全体に壊疽がまわって死に至る。
そうなる前に、切り落とさなければならない。

正義の名のもとに、
切り落とせ、切り捨てろ、切り刻め!!

新たな新秩序のいしずえとしておまえ達の命を捧げよう。
喜べ、誇れ、大いなる変革の犠牲になれる事を。
おまえ達のささやかな抵抗、楽しかったぞ。

「正義の下で、死んでもらおう」
オレは体育館の床にうずくまる高校生に銃口を突き付けながら言った。
「・・・・ふざけんなよ、オッサン。そんなに犠牲が必要ならまずあんたから逝けよ」
「ふん、浅はかだ。オレたち汚れ仕事専門の非公式部隊は、ハナから生きて帰ろうとは思っていない」
「それって・・・、使い捨てかよ。そんなんでイイのか? あんたは?」
「もう少し生きたら、おまえにも分かったかもな。大人の事情ってやつが」
「そんなの、分かってたまる・・・」
「もうイイ。喋り過ぎた。そろそろ死んでもらう」
そう言って、迷わず引き金を引いた。
「クソ!!、離せ!! チカラぁぁぁぁ!!! 逃げろぉぉぉ!!」
さっきまでオレと口でやりあっていたガキが叫んだ。
ふん、甘いんだよ。
この世界、自分のとった行動には、それ相応の対価を払わなきゃならないんだ。
人生を生きていく上での責任ってやつを、教えてやるよ。
ま、高い授業料だったな。
って・・・・、ん?

変だ。

引き金が、動かない。
安全装置は外してある。
では何故?

「!?」
気が付けば、床に這いつくばる高校生の前に、新たなガキが庇うように身を投げ出していた。
「お、おまえは、か、スガ?」
うずくまる高校生が呟く。
「やだやだやだ、弾丸を拒絶する弾丸を拒絶する拒絶する拒絶する・・・」
な、なんなんだ? こいつは。このガキはいったい何を言ってるんだ?
何をしてるんだ?
何かをしたのか?

いくらやっても引き金が引けない。
「クソ!! おい、誰でもイイ!! 誰かこいつ等を撃て!!」
近くに居たラッセルがワルサーP99を二人の高校生に向けた撃った。
「・・・・?」
確かに撃った。
しかしオレと同じように引き金が動かないらしい。
「あれ?」
ラッセルが何度も銃を試す。しかし無駄だった。
「おい!! ニール、撃て!!」
二階席に居るニールは、М16を構えたが、やはり撃てないようだった。
「ダメだ、どうかしてる!!」

クソ、クソ、クソ、クソ!!
いったい何なんだ!!
これじゃ駄目だ。見せつけなければ。オレたちが本気だということを。
「おい、チャールズ、その生意気なガキをちゃんと抑えてろよ!! ラッセル、カメラでこいつ等を撮れ。オレが今からやってやる!!」
オレは拳銃を収め、ナイフを取り出した。

「その辺で止めておきましょうよ、オジサン☆」

背後からの声とその気配に、戦慄した。
尾てい骨から背骨を伝って脳天へとゾワゾワとした怖気が電撃のように駆け上がっていった。
有り得ない有り得ない、見てはいけない見てはいけない。
振り返ってはいけない。
しかし振り返らないではいられなかった。
その存在を知らないでいる方が脅威だった。
幾多の戦場を渡り歩き、
この世のものとは思えない人間や惨状を数多見てきたと自負していたこのオレに、
これほどまでの恐怖を与える存在とはいったい何か?
そしてそこには、
紫の髪に大きな瞳のアニメ風少女のお面をかぶった学生が立っていた。
余りにも想像を遥かに超えたまさかのお面姿、
その異様さも霞むほどの威圧感、存在感、恐怖感。
こ、こ、こいつは果たして、人間なのか?

「どうしちゃったのさ、オジサン、そんな物騒なモノ持って。アブナイじゃないですか☆」
「あ、いや・・・これ、は・・・」
オレは何でこんなものを持っていたのかまったく理解できないといった感じで、ナイフを床に落とした。
膝に力が入らず、ガクガクと震えている。
意識を保っておかないと、立っていられないくらいだ。
「さ、もう終わりにしましょ☆」
面の学生がサッと右腕を出してきたので、オレは反射的に拳銃を抜いて撃ってしまった。
しかしやはり弾は発射されなかった。
「あ、あ、あ・・・」
言葉が出ない。気が遠のいていきそうだった。
「おいおいおい、いったい誰にこんなの向けてると思っているんですか? クソ虫が☆」
「あ、くそ・・・すべて、正義の為に・・・」
「オジサン、言っておきますケド、・・・『正義なんてこの世に存在したためしがないんだよ。』 ね☆」
その一言で、意識を繋いでいたわずかな糸がぷつりの切れ、力の入らなくなった膝は折れ、硬い木の床に跪いてしまった。

「おい!!! チマキィ、何余計な事してんだよ!! とっととこっち来い!!」
ステージの方から新たな声が聞こえる。
オレの目はまったくの無意識にそちらへ向く。
するとステージ上にはこれまた妙なお面を被った学生が居て、仲間はそいつにすべて倒されたらしかった。
「ちぇ、名前呼んだらお面の意味が無いじゃないですかぁ」
目の前の少女の面を被った学生がぼやく。
「すみませ~ん、ウルトラマンDVさん!! 今そっち行きまーす☆」

ああ、すべてが崩れていく。
計画も、作戦も、正義も、世界も、未来も・・・・。
ああ、オレは、どこで間違ってしまったんだろう。



私立日高見学園(23) 瓜生襷

「じゃ、作戦会議といくぜ!!!」

「おまえが仕切るな」
「兄さん、おすわり」
「生爪剥がれろ☆」

「えええぇぇぇぇーーーーーー!!!???」
余りのショックに体育座りでへこむカサネ。

「つーことでバカは置いといて、体育館襲撃計画だけど・・・」
そう言って奇杵語の方に視線を向ける。
まぁ、こいつが何か手はあるみたいなこと仄めかしてたからな。
それに乗っからない手は無い。
ていうか、正直考えるのがめんどい。
いや、実は結構体にガタがきてるんだわ。
九条魚名の野郎に電気ショック漬けにされるわ、ビーストに無茶振りされるわで、さ。
だからできれば双子メインでやってくれ、って感じなんだけどなー。

「実は、ついさっきなんだけど、体育館内の状況が分かってね」
と都合良く奇杵語の方から話を切り出してきた。
「何情報だよ、ソレ」
「まぁ、ウチのネットワークからだけど?」
「姫だよ、姫」
「ヒメ?」
「兄さん、不用意だよ。それ以上の発言は」
「おいおい、随分信頼されてねーんだなぁ、オレ等」
「それとこれとは別さ。それに君が、3年前の事件の『ウリュウ タスキ』ならなおさらだ。話だけは聞いてるよ」
「まぁ、そんな事はどうでもイイけど、その体育館の情報は信頼出来るのかよ?」
「ほぼ、100%」
「ふーん、・・・大きく出たなぁ」

「で、現在、体育館内の兵士は、二階の通路に3人、ステージ上に5人、機材庫に1人、体育館後方に2人、そして入り口のドア前に1人、全部で12人だ」
カタリが切り出した。
「まぁ、そろそろ時間が無い。校舎の巡回してる仲間から連絡が途絶えたともう知られていると思うし、外も騒がしくなってきてる。オレ達だけで事態を打開する為にも聞いておきたい。おまえ等2人は何が出来る? まずそれを知っておかないと作戦の立てようがねぇ」
「なんなんだ? オメーは偉そうに」
「兄さん」とカタリがカサネをたしなめる。「まぁ、君が指揮を執るのに依存はないよ。とりあえず言える事は、僕達は認知されることなく中に入れる。おそらく二階の兵士だけなら一瞬で無力化出来ると思う」
なるほど、それであの体育館からおまえ等だけ出てこれた訳だ。
「ふうん、それプラス入り口の奴を倒してドアを開けられるか?」
「うん、可能だ」
「上出来。なにも全員倒す必要はない。そしてオレがステージの奴らをやる」
「あれ? ボクは何をすればイイんですか? タスキさん☆」
「オメーは変な邪魔が入らないように外で見張りだ」
「・・・・ハーイ☆」
あれ、やけに素直だなぁ。

「そうと決まれば急ぐぞ。ヘリも飛んでるし、注目を浴び始めてる」
「と、その前に1つ」
カタリが言った。
「なんだ?」
「出来れば面がバレたくない」
「あぁ、なるほどぉ・・・・」
確かにそうだな。オレも目立ちたくはないわなぁ、今後の日常生活、学園生活の事も考えて。
「あれなんかどうですか?☆」
千万喜が指さしたのは、職員室の隅に置いてあった段ボール箱だった。そこには何故か夜店の景品みたいなオモチャが沢山入っていた。箱には『5月祭り用』と書いてある。
「この、お面をそれぞれつけましょうよ☆」
「お、イイねぇ」
機嫌が治ったカサネが起き出した。
全員箱を囲んでお面を物色する。

「じゃ、オレはこれにしよ」
オレはウルトラマンのにした。
「お? ナニ? そんなウルトラマン知らねーぞ?」
カサネが訊いてくる。
「あ? コレ? ウルトラマンDVだよ」
「ディーヴイ?」
「ああ、ウルトラマン・ドメスティック・ヴァイオレンス」
「どんなウルトラファミリーだよ!! こえーよ!!そんな家族」

「ぼくは仮面ライダーに決めた」
カタリがお面を選んだ。
「お、それ何ライダー?」
「兄さん知らないの? 仮面ライダーVXだよ」
「知らねー」
「そう? 右手からVXガスを噴射して・・・」
「ちょっと待て!! 何それナチス!? ヒーローとしてあるまじきだろ!?」

「それでは僕はコレにしまっす☆」
「なんだ、少女アニメキャラかよ、だっせー」
「カサネさん、知らないんですか? 今人気の魔法少女プッシー・・・」
「おまえらちょっと黙れ!!!」

「ていうことで」
「おい、待て瓜生、勝手にまとめんな!! オレまだお面選んでねーんだけど!!」
「バカはほっといて、行くぞ!!」





私立日高見学園(22) 児屋根春日

どうしようどうしようどうしようどうしよ。

僕は何をすればイイ?
僕は何をしたらイイ?
僕は何を言えばイイ?

僕は何をすべき?

錦君が坊主頭の挑発に乗って後ろに行ってしまった。
そんな、やめなよ、危ないよ、危険だよ。
なんて言えなかった。
見送ってしまった。
無為にやり過ごしてしまった。

つまり、僕は、
何も出来なかった。
何もしなかった。
何も言わなかった。

それは、友達を自ら死地へ送り出したと同然だ。
見て見ぬ振りをした。
見放した。
手放した。

だって、僕に何が出来た?
何が言えた?

止めるべきだった。
無理矢理捕まえて離さなければ良かった。
無茶無謀を諭して説得すれば良かったんだ。

僕が、身代りにでもなれば良かったんだ。

それくらいしか出来ない。
それすらも出来ない。
僕は無力だ。
何の役にも立たない。

「さっきから隣りでごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃ五月蠅いなぁ。いったい君は何なんだ?」
隣りでふんぞり返る、佐々貴君の体を借りて自分の姿を投影している龍樹先生が言った。
「いや、・・・あのぉ」
「どうせ何もしないなら最初から何も考えなければいいじゃないか。傍観者に徹しろ。我々は観客だ。ワクワクするような映画でも鑑賞している気分でいればイイ。何か要るかい? ポップコーン? キンキンに冷えたコーラ? あ、やっぱりくまだパンかい?」
「そ、そんな、こんな時に・・・」
「そんな時だからこそだよ、こんな時だからこそだよ!! さぁ人生の傍観者、心行くまで楽しもうじゃないか!! 舞台役者達の生き様を、死に様を、泣き笑いを!! 我々には関係無いんだから!!」
「ふ、ふざけないでください・・・」
「何を怖がっている? 何を恥じている? 傍観者であることを選んだんだろ? もっと堂々と胸を張れ。誰かがやってくれるはず、誰かが解決してくれるはず、誰かが助けてくれるはず。素晴らしい!! それこそ傍観者の資質だよ。人は自由に選ぶ権利がある。生きるも、死ぬも、生かすも、殺すも、逃げるも、立ち向かうも、自由に選んでイイんだよ。ようこそ!! 自由意志の世界へ!!
自分の選んだ選択を、誰も批判することは出来ない、裁く事は出来ない、なんてったって自由なんだから。立ち去ったってイイ、歩き出したってイイ、どこまでも走り続けてもイイ、勉強しなくたってイイ、働かなくてもイイ、世界一周旅行へ出かけてもイイ、一日といわず十年寝ていてもイイ、好きな事をすればイイ。

ただ、選ぶのは自分だ。
結果を受け入れるのは自分だ。
ただ自分のみが批判し、裁き、
自分のみに従う。
選択をすれば、結果がやってくる。
何も選ばなければ、何も選ばなかった結果がやってくる。
しかし君は「何も選ばない」ことすら選んでいない。

君の望む事をしたまえ。
君の望む結果を得るための選択をしたまえ。

ただし、気を付けて。
ブルスック流に言えば、
私は君を惑わしている。
私は君を誘惑している。
私はその為にここに居る。

善も悪も、光も闇も、生も死も、大も小も、敵も味方も、男も女も、右も左も、上も下も、有も無も、すべて意味が無い。すべて存在しない。
ただ在るのは、君だけだ。
君の選択は、すべて正しい。
いや、正しいや間違いすら超えたものだ。

さぁ、そのうえで、君は何を望む? どうしたい? 」




こわいんだろ?
そう、怖いんだ。
自由が。
自分の行動に責任を持たせることが。
自分の行動に責任を取ることが。

今まで、誰にも知られなかったから。
今まで、誰にも見えなかったから。
今まで、誰にも知覚されなかったから。
今まで、誰にも影響を及ぼさなかったから。

僕はある意味無責任でいられた。
何をしたって咎められなかった。
無視されていた。
だからこそ、怖いんだ。
全ての行動に反響が返ってきて、
それらを受け止めなきゃならないって事が。

自由は、不自由だ。
こんなだったら、昔の方が良かった・・・・・。


本当に?
昔の方が良かった?
昔に戻りたい?
誰も居ない、独りの世界に戻りたい?

確かに、以前の方が楽だった。
独りは気楽だった。
『楽』だったけど、『楽しく』はなかった。
何も動かない。
何も変わらない。
何も感じない。
辛い事は無いけど、楽しい事もない。
嫌な事は無いけど、好きな事もない。
迷う事は無いし、そもそも選ぶ事もない。
止まっていた。停滞していた。淀みだった。

戻りたくない。
あそこには戻りたくない。
動き出せ。
一歩を踏み出せ。
上でもイイ、下でもイイ。
前でもイイ、後ろでもイイ。
とにかく、選べ、選べ、選べ。
何かを。
何かをすることを。
選択しろ。
恐れずに。畏れずに。懼れずに。
自分で選べ。
この手で掴み取れ!!










私立日高見学園 補足(3)

            <新キャラ紹介>


奇杵襲(クシキネ カサネ)・・・・・・・・・・・・バカ兄

奇杵語(クシキネ カタリ)・・・・・・・・・・・・ツッコミ弟

奇杵唱(クシキネ トナウ)・・・・・・・・・・・・天然父

九条魚名(クジョウ ウオナ)・・・・・・・・・・・寂しがり屋

坊主頭(ケイン ホオズキ)・・・・・・・・・・・・石頭

阿弖流為(アテルイ)(ビースト)・・・・・・・・・やんちゃ系

菊桐姫(キクリヒメ・ココリヒメ)・・・・・・・・・姫








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プロフィール

HN:
藤巻舎人
性別:
男性
趣味:
読書 ドラム 映画
自己紹介:
藤巻舎人(フジマキ トネリ)です。
ゲイです。
なので、小説の内容もおのずとそれ系の方向へ。
肌に合わない方はご遠慮下さい。一応18禁だす。

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